【iOS5での動作確認済み】
天照大神・豊受大神を祀る伊勢神宮をはじめ、
古事記や日本書紀の神話と直結する社に守られた歴史と伝統の地「三重」。
肥沃な穀倉地帯の伊勢。魚介類の宝庫であり律令時代からの御饌の国の志摩。
熊野灘と権現信仰/西国三十三か所信仰の里、紀の国熊野。東西文化の分水嶺、伊賀の国。
四つの異なった風土と歴史が織りなす四種四様の姿は今も継承され、
食をはじめとする薫り豊かな三重の文化を形作っています。
本書は、40年に渡る古老からの聞き取りや、数多な資料をもとに、
神に捧げる食事から、漁業・農業を生業とする人々の食事まで、
豊かで多彩な食を通して三重県を考察した民俗学的にも第一級の資料であるとともに、
三重県の歴史ガイド、観光ガイド、食事ガイドとしても楽しめる内容となっています。
【目次】
序章 三重の風土と食文化
・民俗学視点と食と宗教
・伊勢国の「さんぴん」と志摩国の「みてびき」
・雑煮に藩政の名残と東西文化の分水嶺
・紀伊の国は熊野文化圏
第1章 三重すし百科
・合わせ酢のすし
・県下の生成れずしとその背景
第2章 三重雑煮考
・分水嶺三重
・考察の視点
・ブロック別にみた雑煮とその背景
・雑煮の出汁
第3章 餅・菓子・おやつ
・伊勢路の名物餅
・老舗の和菓子
・大正期の子どものおやつ
・人の一生と餅
第4章 魚の通った道
・熊野灘発の鯖街道
・中世安濃津発の鰯街道
第5章 宗教行事と食文化
・神々の食事
・仏事の精進
・宵宮の食べもの
・神と民の酒
・塩づくりの窯
第6章 緑茶と紅茶
・伊勢茶は山茶
・幻の志摩紅茶
・茶粥の食習慣
第7章 三重県における人の一生と食事
・妊娠から出産にいたる食事
・七夜の名付けから成人にいたる食事
・結婚式等の食事
・人の死と食事
・先祖と食事
第8章 人生儀礼食
・風土に根ざした食材と大量調理
・料理にみる縁社会の原則
・別火・別鍋と穢れ
・数字の五原則と陰陽道
・色の五原則と五行・五大
第9章 各地の食の民俗調査
・津市安濃町の食生活
・志摩市志摩町和具の食生活
・伊賀市伊賀町山畑の食生活
・離島(鳥羽市)の食生活
第10章 特産品の背景
・大日信仰の松阪肉牛
・桑名の殿さまの蛤
・片想いの志摩の鮑
・保存食の灘の鰹
・伊勢平野の大根
付章 郷土特産品メモ
・いせえび(伊勢海老)、はまぐり(蛤)、栄螺(さざえ:えいら)、まだい(真鯛)、まさば(真鯖)、ぼら(鯔)
・さんま(秋刀魚)、しらうお(白魚)、うなぎ(鰻)さめ(鮫)、うつぼ(靫)、さかなのつけもの(魚の漬物)
・くじら(鯨)、にくうし(松阪肉牛)、いも(芋各種)、しお(塩・鹽)、みえぶらんど(三重ブランド)